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肌タイツの種類

肌タイツの役割・形状・素材と、オーダーメイドと既製品の違い。

執筆: Reflex

肌タイツは、顔の部分が開いた肌色の全身タイツで、いわば素肌の代わりになる「キャラクターの肌」です。顔が開いているのは視界を確保するためで、マスクをかぶれば見えなくなる部分です。

マスクだけを被って素肌が見えていると、首から下だけ生身の人間になってしまい、キャラクターとしての統一感が崩れます。肌タイツで全身を覆うことで「中に人がいる」感じを消し、マスクと一体のキャラクターとして成立させるわけです。肌の質感と色をマスクと揃えるほかに、体毛・ほくろ・筋肉の凹凸といった体型の情報を隠す役割、素肌との間に着けた補正パッドを上から覆って輪郭をなじませる役割もあります。

肌タイツは、首から足先までひとつながりの全身一体型が基本です。足先は足袋のように指の一本一本まで縫製されているものが多く、素足に近い衣装のキャラクターも自然に表現できます。

着脱は背中ファスナー式。一人で閉めるには、ファスナーの引き手にストラップを付けておくなどの工夫が有効です(着用手順(はじめての着装))。股部分にはクロッチファスナーが付いているものが多く、トイレの際はタイツを脱がずにここを開けて済ませられます。メーカーによっては手首にジッパーを追加して、必要なときに素手を出せるオプションもあります。スマホの操作や細かい作業のときに便利です。

主流は、縦横どちらにもよく伸びる化繊の伸縮生地です。水着やレオタードに近い素材と考えるとイメージしやすいと思います。メーカーによっては、肌ざわり・光沢・伸縮性の異なる素材を何種類かから選べることもあります。選べる場合は、生地サンプルや作例写真で質感を確認してから決めるのがおすすめです。

汗を大量にかく趣味なので、着用後は毎回洗うのが基本です(肌タイツ・衣装の洗濯)。

肌タイツの一種として、布ではなくゴム製の肌色ラバースーツ、通称「肌ラバー」もあります。生地の織り目がなく、つるりとした均一な表面になるのが特徴です。

ただし、扱いには布の肌タイツにはない手間がかかります。

  • 着用に潤滑剤かパウダーが必要: 生地が伸びて滑る布と違い、素肌に張り付くため、そのままでは着られません。ラバー着用専用の潤滑剤が市販されているので、それを使います。手持ちのローションやオイルで代用すると、ゴムを傷めることがあります。また、タルカムパウダー(ベビーパウダー)を肌やスーツの内側にはたいて滑りをよくする着方もあります
  • 破れることも多い: 薄いゴムなので、爪や指輪に引っかけたり、着脱時に強く引っ張ったりすると裂けます。爪は短く整え、アクセサリーは外してから着るのが基本です。それでも破れるときは破れるものなので、布の肌タイツより寿命は短いと考えておきましょう
  • メンテナンスが難しい: 洗浄・乾燥・保管のいずれにも決まった手順が必要で、布のように洗濯機に入れて終わりとはいきません
  • 光沢剤(オイル)が必要: ラバー特有のツヤを出すには専用の光沢剤を塗ります

とくに問題になりやすいのが光沢剤です。施設の汚損防止のため、イベント会場やコスプレスタジオでは光沢剤の使用を禁止しているところも多くあります。使える場所が限られるため、日本国内で肌ラバーを常用するのは少しハードルが高いのが実情です。

肌ラバーのオーダーメイドは、河妖工房などが受注しています。

肌タイツには、採寸データから作ってもらうオーダーメイドと、S/M/Lなどの既製サイズ品があります。

基本的にはオーダーメイドをおすすめします。自分の体型にぴったりフィットするためシワがなく、見た目が段違いに美しく仕上がるからです。肌タイツのシワは写真で目立ちやすく、キャラクターの「肌」としての説得力を大きく左右します。既製サイズ品は安く早く入手できるので、予算に応じて選ぶのもありですが、体型と合わない部分にはシワやたるみが出やすいため、サイズ表と自分の採寸をよく見比べてください。

肌タイツの発注はマスクの発注とは別に行います。流れは肌タイツの発注を参照してください。

女性キャラクターを演じる場合の定番オプションが、胸の内側に縫い付けられたポケット、通称「胸ポケット」です。偽乳(フェイクバスト)を差し込んで固定するための仕様で、ブラで固定する方法と違って、動いてもバストの位置や向きが安定します。タイツを着てからポケットに入れるだけなので着脱も楽で、取り出せばそのまま洗濯できますし、ポケットの生地がバストの縁を押さえるため外から見たラインも自然になじみます。

胸ポケット付きの肌タイツは市販もされていますが、工房に肌タイツを発注する際のオプションとして依頼できることも多いです。ポケットは伸縮する生地でできているため、偽乳のサイズは基本的にどんなものでも収まります。

肌タイツ選びで最も重要なのが、マスクの肌色と合わせることです。首の継ぎ目で色が変わると、写真で非常に目立ちます。

一番楽で確実なのは、マスクの工房が肌タイツも生産している場合に、同じ工房のものを買うことです。これなら色合わせ自体が要りません。別のメーカーで用意する場合は、マスクが届いてから生地サンプルを取り寄せ、実物のマスクと並べて現物合わせするのがおすすめです。同じ「肌色」でも黄み寄り・赤み寄り・白寄りとメーカーごとに色味が違いますし、照明によっても見え方が変わるので、可能なら屋内外両方で確認しましょう。

肌タイツを扱う主なメーカー・工房は主な工房一覧にまとめています。

着ぐるみの装いは、内側から「補正パッド → 肌タイツ → 衣装」という層で構成されます。補正パッドは素肌と肌タイツの間に着けます。全体の重ね順と着る手順は着用手順(はじめての着装)で解説しています。

衣装はコスプレ用の既製品・オーダー品をそのまま使えることが多いですが、補正パッドで生身よりひと回り大きくなるため、ワンサイズ上を選ぶか、パッド込みの寸法でオーダーするのが安全です。肌の露出が多いキャラクター(水着・ノースリーブなど)は肌タイツの見える面積が大きいぶん、色合わせと生地の質感がより効いてきます。

もうひとつ気をつけたいのが、衣装からの色移りです。濃い色の衣装は、着用中の汗や摩擦で肌タイツに色移りすることが多くあります。はじめて着る衣装は事前に手洗いして、色落ちしないか確認しておきましょう(肌タイツ・衣装の洗濯)。