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ウィッグのお手入れ

着ぐるみウィッグのブラッシングとスタイリングの整え方、あると便利な道具。

執筆: Reflex

着ぐるみのウィッグは、毛束がのりで固められた「髪の形をした造形物」に近いものです(ウィッグの基礎)。人間用ウィッグと同じ感覚で扱うと、毛が抜けたり固めた形が崩れたりします。基本は「引っ張らない・こすらない」。マスク本体と一体なので、マスクのお手入れのついでに状態を見ておくのが習慣にしやすいです。

絡まりをほぐす・ブラッシング

Section titled “絡まりをほぐす・ブラッシング”

絡まりに気づいたら、まず手ぐしでほぐしてみてください。指なら引っかかりの強さが手に伝わるので、力の入れすぎに気づけますし、ブラシのように毛を巻き込むこともありません。多少の絡まりはこれだけでほどけます。

このとき、布製の手袋(綿手袋など)をつけて作業するのがおすすめです。素手で触ると手の皮脂がファイバーに移り、毛先が束になったり汚れが付きやすくなったりします。ウィッグは洗って落とせるものではないので、汚さないに越したことはありません。

手ぐしでほどけない部分にブラシを使います。ブラシは必ず毛先からゆっくりかけ、少しずつ上へ進めます。根元から一気にとかそうとしたり、絡まりを無理に引き抜こうとすると、毛が抜けたり切れたりしてウィッグを痛めます。マスク本体をしっかり支えながら、引っ張りすぎないこと。のりで固められた毛束にはブラシをかけず、流れている部分だけを整えます。

使うたびに軽く整えておくと絡まりが溜まらず、結果的に触る回数も力も少なく済みます。

ブラシは、絡まった毛をほぐしやすいタイプがおすすめです。

タングルティーザー ザ・アルティメットディタングラー(黒いヘアブラシ)

ブラッシング用

タングルティーザー ザ・アルティメットディタングラー

長さの違うピンがしなって絡まりをほどくため、引っかかりが少なくて済みます。手のひらに収まる大きさで、マスクを支えながら片手で扱いやすいのも利点です。

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ロングヘアやツインテールのウィッグでは、ワニクリップもあると便利です。いま触らない毛束を留めて分けておけば、毛束同士が絡まらず、ブラシも通しやすくなります。

カラフルなプラスチック製ワニクリップのセット

毛束を分ける用

Rurumi カラフル ワニクリップ 12個セット

美容室で使われるタイプのヘアクリップです。毛量の多いウィッグでは数を使うので、まとめ買いできるセットが手軽。挟む力が強すぎるものは跡がつくことがあるため、留めっぱなしにはしないでください。

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うねりや寝ぐせのような毛の乱れは、ヘアアイロンで整えられます。ただし温度には十分注意してください。ファイバーの耐熱温度を超えると縮れて元に戻りません。低めの温度から始め、目立たない毛先で試してから本番へ。アイロンをシェル(塗装面)に触れさせないことも重要です。

低温から使えて、温度を細かく設定できるものが向いています。

アゲツヤ チタニウムプレート プロフェッショナルヘアアイロン SGH7

毛の乱れを整える用

アゲツヤ チタニウムプレート 海外対応プロフェッショナルヘアアイロン SGH7

設定できる温度が80〜220℃と幅広く、下限が低いのが利点です。低温側から少しずつ上げて、ファイバーが耐えられる温度を探れます。

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広がりや静電気は、ウィッグ用の静電気防止スプレーで抑えられます。これも塗装面にかからないよう注意してください。

長期使用でのりが劣化してくると、固めてあった毛束がだんだんほつれて広がってきます。固め直す方法は大きく2つあり、やり直しの効きやすいウィッグ用スタイリング剤と、半恒久的に固定するスチのりに分かれます。まずは落としてやり直せるスタイリング剤から試すのがおすすめです。

ウィッグ用スタイリング剤で固める

Section titled “ウィッグ用スタイリング剤で固める”

コスプレウィッグ用のハードスプレー・ハードジェルは、普通のスタイリング剤より固定力が強く、毛束の広がりを押さえ直すのに使えます。スチのりと違って比較的落としやすく、失敗してもやり直しが効きやすいのが利点です。

カチカチくん ビッグサイズ ウィッグ専用ハードスプレーの缶

広い面を固める用

アシストウィッグ カチカチくん ビッグサイズ(ウィッグ専用ハードスプレー)

コスプレウィッグの定番ハードスプレーです。速乾でムラになりにくく、毛流れ全体を面で固めるのに向きます。スプレーはミストが飛ぶので、塗装面を覆ってから使ってください。

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ツンツンちゃま チューブタイプ ウィッグ専用スーパーハードジェル

毛束をつまんで固める用

アシストウィッグ ツンツンちゃま チューブタイプ(ウィッグ専用スーパーハードジェル)

同じくアシストウィッグのウィッグ専用ジェルです。ワックス感覚で指に取って使えるため、ほつれた毛束をつまんで束に戻す部分補修がしやすく、スプレーより狙った場所だけに付けられます。

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スタイリング剤で押さえきれないほど崩れが進んだ場合の方法です。しっかり固定できる反面、一度固めるとエタノールで溶かさないと落とせない、半恒久的な固定になります。

定番の配合は、スチのり(発泡体用の接着剤)とエタノールを50:50で混ぜたものです。原液のままでは粘りが強く毛に馴染まないため、エタノールで薄めて塗り広げやすくします。

光栄堂 スチのり 100 発泡体用接着剤 SN-100 のボトル

毛束を固める用

光栄堂 スチのり 100(発泡体用接着剤 SN-100)

発泡スチロールやスポンジ用の接着剤で、内容量100ml。エタノールは別途、薬局などで手に入る消毒用・無水エタノールを用意します。

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参考: @ayamestore の投稿

絡まりがほどけない、毛先が傷んで広がってしまった——ブラッシングやスタイリングでは戻せない部分を、切って処理するという手もあります。ただし切った毛は生えてきません。積極的におすすめできる方法ではなく、あくまで最後の手段だと考えてください。

ウィッグはマスクと一体で、毛の量やシルエットは工房が造形に合わせて作ったものです。ハサミを入れる前に、まず制作元での再スタイリングを相談してみてください(修理・リペイントの頼み方)。

そのうえで自分で切るなら、工作用のハサミではなく美容用のものを使います。切れ味の悪いハサミは毛を潰すように切るため、断面が傷んでかえって広がりやすくなります。

貝印 関孫六 スキハサミ(オールステンレス) HC3519

毛量を減らす用

貝印 関孫六 スキハサミ(オールステンレス) HC3519

片側の刃が櫛状になっていて、一度に切れる毛量が限られます。切りすぎを防ぎやすく、切った跡もなじみやすいので、迷ったらこちらから。

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貝印 関孫六 カットハサミ(オールステンレス) HC3518

長さを切る用

貝印 関孫六 カットハサミ(オールステンレス) HC3518

長さを切り揃えるための美容ハサミです。よく切れるぶん、当てただけ切れてしまいます。使うなら、すきバサミで整えても直らない部分に限るのが無難です。

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切るときは、乾いた状態で、目立たない内側から少しずつ。一度に大きく切らず、こまめに全体のシルエットを確認しながら進めます。

保管時は不織布カバーなどでほこりを防ぎます。ウィッグスタンド+マネキンヘッドに被せて保管すると、毛の重みが一点にかからず型崩れしにくくなります(保管と運搬)。

ウィッグだけ外して洗える構造ではないことが多いため、汚れや大きな傷みを自己判断で分解・洗浄するのは避けてください。スタイリングの大幅な変更、毛のへたり・退色などの修繕も、塗装と同じく工房の領分です。制作元の工房に相談しましょう(修理・リペイントの頼み方)。